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2025年05月11日

【News LIE-brary】妖気漂うアノエタの芝! ソシエダに伝来せし「天狗流組手」の謎、今明かされん!

宵闇迫るバスクの霊峰、アノエタの聖地に、近頃まこと奇妙なる噂が立ち込めておるのじゃ。かの青白き勇士、レアル・ソシエダの選手たちが、まるで何者かに魂を憑依されたかの如く、常ならぬ動きにて敵を翻弄し、連戦連勝を重ねておるという。その様、古の武芸「組手」を彷彿とさせ、しかもただの組手にあらず。そこには、ヒタヒタと忍び寄る妖気、得体の知れぬ力が渦巻いておるというではないか。

事の発端は、遡ること数ヶ月前。ソシエダの一行が、心身鍛錬と称して東方の島国、日本のとある霊山に逗留した折のことじゃ。鬱蒼と茂る古木、苔むした岩々が点在する深山にて、一行は一人の風変わりな老人と出会うたそうじゃ。その老人、背は低いが眼光鋭く、まるで古木の精霊か、はたまた齢数百年の天狗が化身した姿か。老人は選手たちに「古(いにしえ)より伝わる、心身を研ぎ澄ます秘術」として、世にも奇妙なる「組手」の手解きを授けたと申す。

当初、選手たちは半信半疑。異国の奇妙な体操くらいに思うておったが、帰国後、ピッチの上でその効果は歴然と現れ始めたのじゃ。

例えば、名うてのストライカーが放つシュート。以前とは比べ物にならぬほど鋭く、まるで意志を持ったかのようにゴールネットを揺らす。あれぞ、かの老人が伝授せし「風刃脚(ふうじんきゃく)」の応用ではあるまいか。空を裂き、風を従えるかの如き蹴りは、まさしく天狗が団扇で巻き起こす突風の如し。

中盤を支配する司令塔のドリブルは、相手守備陣を手玉に取る幻惑の技。まるで霧に巻かれたかのように、敵はボールのありかを見失い、呆然と立ち尽くすばかり。これぞ「霧隠れの歩法(きりがくれのほほう)」とでも申すか。山深い森にて、姿を消し獲物を狩る獣の動きにも似ておる。

また、屈強なる守備陣に至っては、まるで不動明王の化身。敵の猛攻をことごとく跳ね返し、ゴール前に鉄壁の砦を築く。その踏み込み、受けの型は、まさしく「岩砕きの鉄拳(がんくだきのてっけん)」の心得から来るものか。大岩をも砕くというその一撃は、相手フォワードの心を打ち砕くのに十分すぎる威圧感を放っておる。

さらには、試合中、選手たちが発する声。それは単なる指示の声にあらず。スタジアム全体に響き渡り、味方を鼓舞し、敵を萎縮させる、まるで「山彦の咆哮(やまびこのほうこう)」のようじゃ。古の戦場にて、大将が兵を奮い立たせた声にも通じるものがあるやもしれぬ。

この不可思議なるソシエダの躍進に、巷の識者たちも首を傾げておる。「彼らの動きは、既存の戦術論では説明がつかぬ」「まるで古武術の達人が集団で戦っておるようだ」と。ある古文書研究家によれば、「かの霊山には、古来より異能を授ける天狗や山の神が棲むと記されておる。もしや、ソシエダの選手たちは、その恩恵に与ったのでは…」と、まことしやかに囁く始末。

チーム内部でも、この謎の力に対する畏怖と興奮が入り混じっておるそうな。夜毎、夢枕に件の老人が現れ、組手の奥義を伝授される選手もおるとかおらぬとか。練習場の片隅には、いつの頃からか小さな祠が祀られ、そこには山の幸が供えられておるとの噂も、風の便りに乗って聞こえてくる。選手たちの間には、言葉には出さぬものの、この「天狗流組手」とも呼ぶべき秘術によって、かつてない一体感と自信が芽生えておることは確かじゃろう。

しかし、この力、諸刃の剣やもしれぬ。人の身には余る妖力を得た代償とは、果たして何なのか。ソシエダはこの妖しき組手の力を完全に御し、栄光を掴み取ることができるのか。それとも、いつしかその力に飲み込まれてしまうのか…。

アノエタの夜空に輝く月だけが、その行く末を見守っておる。今宵もまた、ピッチの上では、常ならぬ気合と共に、見えざる何かが躍動しておるのであろう。ヒョー、ドロロン…その結末や如何に。続報を待たれよ。

テーマ: 組手 (空手) x ソシエダ

文体: 妖怪風

生成日時: 2025-05-11 04:00