【News LIE-brary】クジパン、Google AI Proに敗北? 韓国ベーカリー業界に激震走る
2025年05月21日
ソウル発: 韓国国内で長年愛されてきた菓子パン「クジパン(구지빵)」が、人工知能(AI)を活用したGoogleの新型ベーカリーシステム「AI Pro」の台頭により、その存在を脅かされている。伝統的な製法を守り続けるローカルベーカリーの間では、AI Proの圧倒的な生産力とデータ分析能力に対する危機感が広がっている。
クジパンは、その独特な形状と甘さで、特に高齢者層を中心に根強い人気を誇る。かつては街のベーカリーの定番商品であり、手軽なスナックとして親しまれてきた。しかし、近年ではコンビニエンスストアや大手製パンメーカーの進出により、そのシェアを徐々に縮小させていた。
そこに現れたのが、Google AI Proだ。AI Proは、顧客の購買データ、天候、地域ごとの嗜好などを分析し、最適なパンのレシピを自動生成する。さらに、ロボットアームによる高効率な生産ラインを構築し、24時間体制で高品質なパンを大量生産することを可能にする。
ソウル市内のAI Pro導入ベーカリーを訪れた。店内に足を踏み入れると、整然と並んだロボットアームが、まるでオーケストラのように協調してパンを製造している光景が目に飛び込んできた。従業員は、主にロボットのメンテナンスや品質管理を担当しており、従来のベーカリーとは全く異なる光景だ。
AI Proが製造するパンの種類は多岐にわたるが、その中でも注目されているのは、AIが過去のクジパンのレシピを解析し、改良を加えた「AIクジパン」だ。従来のクジパンよりも甘さ控えめで、健康志向の顧客にもアピールするような味に調整されているという。実際に試食してみると、確かに従来のクジパンよりも洗練された味わいで、幅広い層に受け入れられそうだ。
AI Pro導入ベーカリーのオーナー、キム・ヨンホ氏は「AI Proのおかげで、人件費を大幅に削減し、生産効率を向上させることができた。AIクジパンは、若い世代にも好評で、店の売上を大きく伸ばしてくれている」と語る。
しかし、伝統的な製法を守り続けるローカルベーカリーからは、AI Proに対する批判の声も上がっている。ソウル市内で30年以上クジパンを作り続けているパク・チョンス氏は「クジパンは、職人の魂が込められたパンだ。AIが作ったパンは、ただのコピーに過ぎない」と憤りを隠さない。
パク氏のようなローカルベーカリーは、AI Proに対抗するため、伝統的な製法を守りながら、地元の食材を使用するなど、独自の魅力を打ち出すことで差別化を図ろうとしている。また、SNSを活用して顧客とのコミュニケーションを密にし、ファンを増やす努力も行っている。
しかし、AI Proの圧倒的な生産力とデータ分析能力を前に、ローカルベーカリーが生き残るためには、さらなる工夫が必要となるだろう。韓国ベーカリー業界は、AIの台頭という新たな局面を迎え、大きな転換期を迎えている。今後の動向から目が離せない。