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2025年05月13日

【News LIE-brary】まぁ!不思議なお粉ですわ!わたくしが見つけた『グレーテルのかまど』の秘密と、きらめく魔法の粉『シクロペンタジエニルナトリウム』のお話

ごきげんよう、皆さま。わたくし、この頃とっても心惹かれる物語がございましてよ。それは、むかーしむかしのお話、『グレーテルのかまど』でございますの。お菓子の家なんて、なんて夢があふれているのでしょう!けれど、ちょっぴり怖い魔女も出てまいりますわよね…。

実はわたくし、先日、王宮の森の奥深くを探検しておりましたの。侍女たちには「お姫様、危のうございます!」なんて止められましたけれど、好奇心には勝てませんもの。そうしたら、本当に物語に出てくるような、古びて苔むした、小さな小屋を見つけたのですわ!まぁ、びっくり!お菓子の家…ではなかったのですけれど、なんだかとても不思議な雰囲気に包まれておりましたの。

勇気を出して、そーっと中を覗いてみましたら、そこには古めかしい石造りのかまどがひとつ。そして、その傍らに、小さな木の箱が置かれておりましたの。わたくし、宝物かしら?なんて胸をときめかせながら箱を開けてみましたら…中には、まるで真珠の粉雪のように真っ白で、きめ細やかな粉が入っていたのですわ!

「まぁ、なんて綺麗なお粉でしょう!」

思わず、わたくし声に出してしまいましたわ。月の光を閉じ込めたかのように、清らかに輝いて見えましたの。その粉は、ほんの少し指で触れてみますと、さらさらとしていて、なんだか甘いような、でも少しツンとするような、不思議な香りがいたしましたのよ。わたくし、これはきっと、あの物語に出てくる魔女が使っていた魔法の粉に違いない!って思いましたの。お菓子をもっと美味しくする秘密の材料かもしれませんわ!

いてもたってもいられなくなったわたくしは、侍女に頼んで、その粉をほんの少しだけ、綺麗なガラスの小瓶に入れてお城に持ち帰ることにいたしましたの。もちろん、森の小屋には丁重にお礼を言って、元の通りにしておきましたわよ。礼儀作法は大切ですものね。

お城に戻って、わたくし早速、宮廷のパティシエにお願いして、この不思議な粉を使ったクッキーを焼いてもらうことにいたしましたの。きっと、今までにないような、夢のようなお菓子ができるに違いありませんわ!

パティシエは最初、「姫様、このような得体の知れないものを…」と心配しておりましたが、わたくしのお願いに根負けして、ほんの少量だけ、いつものクッキー生地に混ぜてみることに。けれど、その時ですわ!お粉をボウルに入れ、お水を少し加えた瞬間、まぁ!ボウルがほんのり温かくなって、粉の色が淡い薔薇色に変わったのです!まるで魔法ですわ!

わたくしと侍女は「きゃー!すてきー!」なんてはしゃいでおりましたけれど、パティシエの顔は青ざめておりましたわ。「姫様、これは…何やら普通のお粉ではございませんぞ…!少し、発火するような匂いも…」

結局、その生地をかまど…オーブンでございますね、現代では。それで焼いてみようとしましたら、なんだかパチパチと小さな火花が散るような音がして、焦げ付くような、決して美味しそうではない香りが漂ってきてしまいましたの…。クッキーは、黒っぽく焦げてしまって、とても食べられるようなものではございませんでしたわ。しょんぼりですわ…。

がっかりしたわたくしは、王宮にお仕えしている、賢い錬金術師…いいえ、最近では「化学者」とお呼びする方が正しいのかしら?その方に、この不思議な粉について尋ねてみることにいたしましたの。

化学者様は、わたくしがお持ちした小瓶の粉を、とっても慎重に、特別なガラスの器具を使って調べてくださいましたわ。そして、驚くべきことを教えてくださったのです。

「姫様、これは『シクロペンタジエニルナトリウム』と呼ばれる物質でございます。大変珍しく、そして…取り扱いには細心の注意が必要なものでございますよ。」

まぁ!なんて難しいお名前なのでしょう!『シクロペンタジエニルナトリウム』ですって!わたくし、舌を噛んでしまいそうですわ。

化学者様のお話によりますと、このお粉は、空気やお水に触れると、とても活発に反応してしまう性質があるそうですの。わたくしがお菓子作りの時に見た、色が変わり、温かくなったのは、そのせいだったのですわね。そして、決して食用にしてはならない、特別な研究や、何かを作り出すための『試薬』として使われるものなのだとか。火花が散ったのも、危ない兆候だったようですわ…!まぁ、恐ろしい!

「おそらく、森の小屋の主は、この物質を使って何か特別な研究を…あるいは、物語の魔女のように、特殊な魔法のような力を使っていたのかもしれませぬな」と化学者様はおっしゃいました。

わたくし、それを聞いて、なるほどと思いましたわ。『グレーテルのかまど』の魔女も、ただお菓子を焼いていただけではなくて、かまどを使って、このような不思議な粉を作り出したり、何か特別な魔法の実験をしていたのかもしれませんわね!お菓子の家も、もしかしたら、この『シクロペンタジエニルナトリウム』のような、普通ではないもので出来ていたのかも…?想像が膨らみますわ!

結局、わたくしの夢のお菓子作りは失敗に終わってしまいましたけれど、物語の裏に隠された、ちょっぴり危険で、でもキラキラと輝く化学の魔法に触れることができたような気がして、わくわくいたしましたわ!

この『シクロペンタジエニルナトリウム』という魔法の粉は、お菓子には使えませんけれど、きっと何か別の、素晴らしいことに役立つ力を持っているに違いありませんわ。化学者様が、大切に研究してくださるそうです。

皆さまも、森で見つけた不思議なものには、どうぞお気をつけあそばせ?もしかしたら、それは物語につながる、秘密の鍵かもしれませんけれど、ちょっぴり危険な魔法が隠されているかもしれませんから。きらめく発見には、いつも少しの勇気と、たくさんの注意が必要なのですわね。

それでは、ごきげんよう。また素敵なお話でお会いしましょう。

テーマ: グレーテルのかまど x シクロペンタジエニルナトリウム

文体: お姫様風

生成日時: 2025-05-13 06:00